えーと、気付いたらもう3月も終わっちゃいますねぇ。
年度末という事でバタバタしておりますが、まぁ元気でやっております。
ベトプロも無くなって(とか言いつつ、実は復活しますよっと・・・これはまた後日)、音楽活動とかなんもないなぁ、とかいう話かと思ったら、実は昨年もやりました「ぎじんオケ」ってやつをですね、今年もやっちゃいました。
ちょっと自分自身の中での区切りも付けるという意味も込めて、ちょっと振り返ってみます。
<そもそもぎじんオケとは何か>
まぁ詳しい経緯は
http://www18.atwiki.jp/gijin_oke/ をご覧いただくとして。
言っちゃうと、私が酔っ払ってTwitterで呟いた「ブラームスの交響曲第2番がすげーいい曲、どっかでおれに振らしてくんねーかなー」というのが、どういうわけか24時間後に本当にオーケストラが出来ちゃって、というまぁお祭りオケですw
一発オケ、って言われますが、いわゆる一発オケとはちょっと違って、むしろ「一日オケ」という方が正しいのかも。
事前準備とかはまぁあるにせよ、実際に集まって練習して本番というのを一日でやるわけで(それも2曲もやっちゃう)、まぁ無謀な企画です。
それでも人が集まっちゃうんですよねぇ。
今回も結局70人くらい集まっちゃってるわけで、もうなんかいろいろ凄いですw
なんで集まるんだろうなぁ(苦笑)・・・主催しててアレですが、よくわからないですw
それでですね、昨年3月に行われたぎじんオケですが、どういうわけかいろいろあって、今年もやる事になり、3/24に彩の国さいたま芸術劇場の大練習室で行われました。
曲はドヴォルザークの新世界とブラームスの交響曲第4番。
難曲でしたねぇ・・・・無謀さここに極まれり、みたいな(苦笑)。
<なんで二回目やっちゃったの?>
いや、実はもうやる気はありませんでした、本当に。
自分の名前を冠してるオケ企画なんて、お祭り企画といえどもそう何度もやるものじゃないと思ってるし、なにより恥ずかしいw
自分がプロとか、アマチュアでも指揮者としてコンスタントに活動しているんならまだしも、指揮は盛岡でやってたベートーヴェン・プロジェクトでやってるだけで、1年に一回くらいしか本番をやってないわけですよ。
それも、地元である程度顔なじみのメンバーと一緒にやる、というのと違って、住んでまだ1年も経たない東京という土地で、それもほとんどが「はじめまして!」な人で構成されているオーケストラ!
こんなの普通有り得なくて、本当に奇跡のような出来事でした。ありがとうございました本当に。
一回目は物珍しさでお集まりいただけたのかもしれないので、あそこで終われば「いやー昔こんなのがあってさーあはははは」という話だったわけですよ。
なんで二回目やったんだろうなぁ・・・。
本当にねぇ、なんでやったんでしょうねぇ・・・。
・・・まぁやっぱり「人と人とが繋がる面白さ」というところなんだろうなぁ、と振り返ってみて思います。
私自身は、インターネットが各家庭に入り始めた頃(まだ「テレホーダイ」とかの時間帯に、モデムでぴーがー言いながら28.8kbpsとかで頑張ってた時代ですよ)、オーボエのホームページを開設して、岩手みたいな田舎に住みながらも一時期はオーボエ吹きとして、良くも悪くも名前が知れ渡ってしまっていたという経験をしております。
いろいろあったけれど、その時につながった人たちはいまでも付き合いがある人たくさんいるし、未だに「あのぎじんさんですか????」とか見知らぬ人に言われたりもして。
そうした経験もあるので、まだ顔も見たことがない人達と、リアルな世界で実際に繋がる機会を持てる、それも大好きな音楽という言語を通して、っていうのはやっぱりその当時と同じく「面白い」んですねー。
他の誰もがやった事の無い、たったひとりのつぶやきから、音楽好きが集まってオーケストラができちゃった、というその奇跡的な話って、もう本当おもしろいですよね。
その面白い事を、もう一度体験してもいいかも、いや、したいかも、と思っちゃったんだろうな、と。
なので、「おかわり!」という思いで、「ぎじんオケ Part2」をやっちゃいました。
<当日に向けて>
前回はノリでオーケストラになりましたけど、二回目も同じようなやりかた、ってのはまぁ難しいですよね。
なので、より一層ネット側の機能にたおしました。
まずメンバー公募についてはZussarというネット上のサービスを利用して、公募を行いました。
これ、実に便利でして、今回はやりませんでしたが、集金代行もしてくれるんですよね。
参加費とか決めてたら、参加した人にページ経由で支払をしてもらう事も可能だったりして、今後の可能性をちょっと感じましたね。
しかも、誰が登録してるか、とかも見えるので、透明性が増して実にいい感じ。
指揮者の指示、というほどたいしたものじゃないですが、曲へのアプローチについてはTwitterを使って私の方でスコアを読んだ内容をガツガツ書いたりもしました。
楽譜はIMSLPからダウンロードしてもらったし、ボウイングなどは弦楽器の取りまとめな皆さんがmeityなどを使って意思疎通を図ってくれました。
それから運営系の打合せもメールかDirectMessageか電話。
実質、運営系のメンバーとはほとんど顔を合わせる事なく、当日を迎えています。
(会計まわりでみやさんと一度だけ直接お会いしてお話しましたね。でもそれだけ。)
本番当日まで、TwitterのIDとかでしかメンバーが分からない状態ですからねぇ。
みんなどんな人達なのかも分からずに当日集まる。
果たして俺の指揮は見てくれるのか。
というか俺なんかでいいのか?とかまぁいろいろ考えていると物凄く緊張して、何度ももクロに走ったことか(え?)。
<感想>
えーと、当日のいろんな場面についてはまぁいろいろ思うところはあるのですが、個別に書いていくとキリがないので、感想をまとめて。
メンバーの7割は「はじめまして!」だったんですよね。
それで2曲とも止まらずに最後までいきました!
これだけでもはっきりいって凄いことだと思います。
ものすごく皆さん上手で、なんなんでしょうね、もう凄いんですよ。
一番ダメダメだったのは多分私ですね・・・いやぁ、ご迷惑をおかけしましたマジで。
練習だけで相当疲れちゃいまして、ちょっと本番で集中力が切れてしまう(個人的にね)瞬間があって、本当に申し訳なかったと思います。
でも、一日オケとして、最後まで通った上、おそろしく感動的な瞬間がいくつもあった事は、まさに奇跡だったと思っています。
本当にありがとうございました。
<ぎじんオケ、という催し物への思い>
ここからは私個人のひとりごとを。。。
えーと、このオケに関しては結果を全く求めていません。
そういう趣旨じゃないですしね。
完成度を求めず、奏者の皆さんにも、「人と合わせる」という事以上に、「個人個人が思いを込めて演奏してみたら合っちゃった」という体験が出来る事を理想と思っていました。
そしてその理想の瞬間は、思った以上にありましたよね。
「なんであんな無茶苦茶な解釈なの?」とか思われた方も多いかもしれませんが、それはこの「理想の瞬間」を作るためでもあったりします。
そもそもこういう企画オケで、予定調和な演奏だったらやる意味ないと思っています。
いや真面目な話。
だいたいにして、一日でオケ曲をやる、という事自体、狂気の沙汰ではないわけですよ。
(まして2曲も!!!)
でも「それをやる」からこの企画は面白い、という事だと思っていて。
この「ありえない感覚」というのは、やっている人間の集中力を上げていきます。
もっと皆さんが演奏しやすいテンポとか、合わせやすい音楽作りとか、やり方はいっぱいあるのですが、そういうのを捨てるところからスタートしている、というのは、参加された皆さんはお分かりになるのではないでしょうか。
このオケは、あの無茶苦茶な解釈による演奏において「こんなのおかしいだろ」とか「弾けない!」とかで諦めてしまったら全然楽しくないと思います。
「おいおいまじかよ!」と苦笑しながらも、とりあえず一心不乱についていく。
自分の持っている力をフルに使って、というのが、このオケの演奏における楽しさであり、集中力の源泉なのだと思っています。
でもあまりに無茶苦茶すぎたら、説得力が無いわけで。
なので説得力が必要になります。
これはもう圧倒的に作曲家。
指揮者の力じゃなく、作曲家の力。
ドヴォルザークやブラームスの力に本当に助けていただきました。
曲の力があるからこそ、皆さんがついてこれたのだと思っています。
指揮者の能力は、そう考えるとそんなに重要じゃないのだと思っていて。
(こういう企画オケの場合、ですよ)
私自身の指揮者としての能力って普通以下だと思っていて、ただ好き放題に指揮棒を振り回してるだけの、マニアな音楽好きなだけなんですよ(苦笑)。
私が出来るのは「音楽が好きなんだ」という事を体現する事だけ。
それだけをなんとか頑張って伝えたつもり。
伝わっていたかどうかは自分では評価が難しいところですが・・・。
止まらずに曲が通った、という事は、参加された皆さんの素晴らしさであり、作曲家による曲の素晴らしさのおかげなのだと思っています。
・・・実はちゃんと時間をかけて演奏会にむけて、というような場合は、私の解釈(こういう表現が正しいかどうかはさておき)は全く別物だったりします。
指揮の仕方も多分全然違うんじゃないかなぁ、とか。
# いつかブラームス、シューマン、ドヴォルザークは、時間をかけて
# 演奏出来る機会があったらいいな、と個人的には思っています
皆さんの反応があんなに良くて、正直驚いています。
録音や録画も上がっておりまして、一応ざっと見聞きしました。
私にとってあの録音や録画は「ドキュメンタリー」であり、結果ではありません。
結果、というのは、あの時に演奏したあの瞬間の、皆さんと私の心の中に湧き上がった「楽しい!」という感情なんだと思っているからです。
本当に楽しかったです。
ありがとうございました。
<次・・・・>
あぁ、次ですか。
ぎじんオケ Part3ですか。
無いですよ(笑)。
やるつもりないです、今のところ。
まぁ前回も同じ事言ってますけど、先のことはわかりません。
またやりたくなるかもしれません。
でもまぁオケは私一人では出来ないですしね。
私自身、また指揮がしたくなって、やりたい曲があって、皆さんのお声もいただきながら、タイミングとして盛り上がって「よしやろう!」という気になる時がもしあれば(それが何年あとのことかはわかりませんし、一生こないのかもしれませんが)、またご一緒出来たら嬉しいな、と思っています。
長文になってしまいました。
なんにしても、とても楽しい時間を過ごせました。
お付き合い頂きました皆様、本当に本当にありがとうございました。
またどこかでご一緒出来る事がありましたら、よろしくお願いします。