2014年07月15日

なんでこんな安いんだ?〜R・シュトラウス作曲 歌劇「エレクトラ」のBlu-rayが激安すぎる〜

マゼールの録音とかいろいろAmazonであさっていたら、歌劇「エレクトラ」を発見。
R・シュトラウスが作曲したこの歌劇は、シャレでもなんでもなく過激な歌劇。
内容もグチャグチャですが、サウンドもとにかく暴力的。
サロメのようにストリップがはじまるとかいうのではないのですが、とにかく暗いし重い。

それでもこの歌劇は、初めて聴いた時から私はすっかりハートを持って行かれてしまっていまして・・・。

はじめて聴いたのはデュトワがNHK交響楽団の音楽監督としての最後の公演。
演奏会形式でしたけれど、すんごい演奏でした。
当時BSで放送されたものを録画して、今でもたまに見ています。

その後、バレンボイムが指揮したCDや、ドホナーニが指揮したオペラ公演のDVDなんかを手に入れて、折に触れて楽しんでおりました(楽しむ、っていうのが必ずしも当てはまるような内容じゃないんだけど)。


で、今回もたまたま見つけたので、おー、いいねー、と。
オケもウィーンフィルだし、タイトルロールはヴァルトラウト・マイヤーだし。
ということで以下がそのリンク。



え?
値段・・・間違ってない????
1,000円しない?マジで????

日本語字幕付きでなんでこんなに安いのかわからんのですが、間違いではないようです。
解説書が入ってないのと、このレーベルのカタログ的な役割を持っているが故のこの値段。

ちょっとこれはお買い得すぎる・・・。
ということで紹介しておきます。
私も買います。
Blu-rayプレーヤー無いけどw

あと、当然ながらこちらはアフィリエイトなリンクになっています。
一応つけてますけど、嫌な方は普通にブラウザでAmazonのページとか開いて検索してそちらでご購入くださいませ。
(別にこれで儲けようとか思ってるわけじゃないのでいやマジで)
ちょっとお金入ってくると盛岡帰省が少し楽かな、とか思ってるくらいですが、まぁすげー力入れてやってるわけでもないのでwww
posted by ぎじん at 20:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マゼール追悼の続き(マーラー編)

マゼール追悼企画の続き、というとアレだけど。
マゼールのマーラー、昨日のBlogではウィーンフィルとの全集を紹介しました。

で、今日はNYPとの全集。
ただしダウンロード販売のみ。
iTunes Storeだけかと思ったら、Amazonでも取り扱ってたので紹介しときます。


で、購入しちゃいましたw
いや個人的にマーラーはMTT/SFSOをほそぼそと集めていて、ギーレンの全集とMTTとアバドと、あとは個別にちまちま買い足せば、とか思っていたんですけど、今回の訃報に接し、あえて購入。

マゼールが指揮したマーラーの9番は、映像が存在します。
この映像ってのがちょっと凄い演奏。


映像によるマーラーの9番は、バーンスタインのものに限る、と思っていた私も、この演奏の濃密度に圧倒されました。
これ凄いっすよ(ただし廃盤)


2009年に発売されているこのDL音源なんで、マゼールの晩年の記録としても重要な録音だろうな、ということと、訃報に接した事で死をどのように捉えていたのか、という事も含めて、あえて9番を購入。
posted by ぎじん at 20:00| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月14日

ロリン・マゼールを偲ぶ(リンク修正)

(リンクがおかしくなってたやつを直したので再度)

今朝、起きてからTiwtterのTimeLine(TL)をチェックしていたら、ロリン・マゼール氏の訃報に接しました。
謹んでお悔やみ申しあげます。

今年のPMFの指揮者に決定していたのですが、体調不良のためキャンセルされたというニュースを目にしており、またミュンヘン・フィルでの活動キャンセルなども含めて各所で体調不良による演奏キャンセルのニュースを目にしていたので、気にはしていたのですが・・・。
http://www.pmf.or.jp/jp/news/2014/06/post-5.html


まだ盛岡に住んでいた時、プロのオーケストラの生演奏に触れるという機会はそれほど多くはありませんでした。
それでも一年に一回程度で、すごい方がいらしゃっていた事もあり、何度かは実演に触れる事が出来ました。
ゲルギエフ、デュトワ、大植英次、アシュケナージ、ルイージなどなど。

その中で、バイエルン放送響とのコンビで盛岡に来た時の事を、今でも思い出します。
そのときのプログラムがとんでもなくて、R・シュトラウスの「英雄の生涯」をやってから、ブラームスの交響曲第1番でした。
ってかどっちもメインプログラムでしょ普通にw
ちなみにそのときの来日公演プログラムで、この2曲を一回の演奏会でやっているのは盛岡だけだったと記憶しています。

超満員だった盛岡市民文化ホール大ホールで、英雄の生涯の冒頭の音が鳴り響いた瞬間から、もう言葉も無かったです。
とにかくゴージャス。
ゴージャスな響きでした。
キラキラしてて、密度が濃いのに息苦しくないあの響きは忘れられないなぁ。


ロリン・マゼールという指揮者の存在を知ったのは、おそらく高校に入学した辺りだったかと思います。
実家には父や叔父が残したLPがたくさんあったのですが、ワルター、バーンスタイン、カラヤン、セル、ライナー、ケンペ、バルビローリ、モントゥー、アバド、ハイティンクといった指揮者の他にも、アラン・ロンパールやルイ・フレモーといったマイナー(失礼)な指揮者まで揃っていたのに、マゼールはありませんでした。
(さらに言うと小澤さんのLPも何故か無かった)

マゼールは高校に入学してレコード芸術なる雑誌を買うようになってから知ったのですが、知ったきっかけは「春の祭典」でしたw
高校の時って、なんか小難しい曲とかが好きになる時ってあるじゃないですか(あるのかよ)。
その流れで、当時変拍子でわけわからん曲の代表的な作品だったストラヴィンスキーの「春の祭典」って、聴き比べをするのにちょうどいい感じなんですよ。
・アバド/ロンドン
・ブーレーズ/クリーブランド
・カラヤン/ベルリン
・ストラヴィンスキー/コロンビア
・デュトワ/モントリオール
・小澤/ボストン
・ドラティ/デトロイト
こんな流れの中に、マゼール/ウィーンフィルってのがありました。
これがまたへんてこな演奏でw
凄く引っかかった指揮者だったんです、そのとき。

で、あるとき。
マーラーの復活を高校吹奏楽部のOBから聞かせてもらって衝撃を受けていた時期に、高校の同級生に「マーラーの復活、っていうすごい曲があってさー」とか話したんですよ。
そしたら彼は「それなら俺持ってるよ」と。
え?クラシックとかよく聞くの?と思ったら、親が持ってる、と。
翌日貸してくれました・・・・って、これ・・・「巨人」って書いてるんだけど・・・。
ということで、同級生の勘違いだったわけですが、この時の「巨人」こそ、マゼール/ウィーンフィルによる全集からの一枚なわけです。


ここで衝撃を受けました。
まぁ曲そのものをあまり当時は知らなかった、というのもあるのですが、弦楽器の豊穣な響きが、オドロオドロしいフレーズを紡いで行くサマときたら、当時の私のハートをガッツリ掴んだわけです。
その後、自分でもどうしても欲しくなったので、ワルター/コロンビアの巨人を買うのですが、それはまた別の話。



以降、マゼールは好きな指揮者の一人として、こっそり追っていたりしていたので、今回の訃報は衝撃を受けました。
ショルティと同じく、老いとかいうのと無縁な感じがしてたんだけど・・・まぁ人間ですからいつかは寿命が尽きるわけで。
仕方が無いとはいえ、ショックでした。


そんなマゼールについて、個人的に推している録音を幾つか。

リヒャルト・シュトラウス管弦楽曲集


バイエルン放送響とのコンビにおける金字塔とも言える録音。
私が買った時はまだドン・キホーテが発売される前だったかのやつなのですが、今回紹介してるのはドン・キホーテも入ってるもの。
いーなーw(チェロはイッサーリスだ!)
このリヒャルト・シュトラウスは、80年代以降に録音された、ある程度まとまった交響詩集の中でも個人的にベストワンと言いたくなるほどの素晴らしいものです。
若い頃のやりたい放題的なものとは違い、ドッシリと構えた、万人にお薦め出来る録音です。
ティル・オイレンシュピーゲルで見せる巧妙な語り口(決していやらしくない)や、死と変容で見せる深刻度、英雄の生涯ではオーケストラ芸術の粋を見せるかのような表現の幅。
そして個人的には家庭交響曲がとても素晴らしい演奏で、決して録音として多く無いこの曲の、代表的な録音として推せるものです。
リヒャルト・シュトラウスが聴きたくなったら真っ先に聴いちゃう、そんな録音です。
ホントにお薦め。


マーラー交響曲全集



マゼールのマーラー演奏は、最近発売されているフィルハーモニア管との録音も凄いのですが、あえて今回はこちらを紹介しました。
実はマゼールはニューヨークフィル時代にもマーラーの交響曲全集を録音していて、そっちもとても素晴らしいのですが、そちらはiTunes Storeなどでのダウンロード販売のみ、なんですよね。
全集として入手しやすい(そしてお買い得)のはウィーンフィルとの録音。
録音に古さはあまり感じさせませんが、落ち着いた演奏。
いや、落ち着いたと表現していいのかなぁ・・・マゼールにしては、という事で。
オケの水準はとても高いです。
ウィーンフィルのマーラー全集、っていう意味だと、実はこれしか残ってないんじゃないかなぁ?
一聴した時は「あぁこんなもんかー」とか思っちゃいますが、繰り返し聴いているうちに「こんな凄い演奏だったのか・・・」と思わされる瞬間が訪れます。
美しく、冷たく、熱い。そんな演奏です。


ドヴォルザーク スラブ舞曲全曲


これ、超絶お薦めです。
ベルリンフィルとの共演による録音は、特に90年代はそれほど多くありません。
ですが、この演奏は本当に本当に素晴らしい!!!!
超絶優秀なオケによる、民族っぽさを排除した、マゼール節全開のこの演奏は、例えばノイマンであったりセルであったりクーベリックであったり、といったチェコと繋がりのあったご当地指揮者(悪い意味で使ってるわけじゃないですよ)によるものとは大きく異るアプローチなのです。
それが実に良いのです。
血湧き肉踊るこの感じは、是非大きめの音量で聴いていただくに限ります。
重々しく感じられるかもしれないそのリズムが、ドヴォルザークのシンフォニックなサウンドを引き出すためのものであり、それが決して胃もたれしないという、ギリギリのところで繰り広げられます。
最後の一曲までじっくりと味わっていただければ、最初から最後まで通して一つの楽曲なのだなぁ、という事が伝わってきて、最後の二つの音が鳴り響いた後、思わずため息と共に涙が溢れ出します。
私がこの曲に勝手に持っていた「土臭さ」というイメージは、この演奏で見事にくつがえりました。


ウィーンフィル名演集


本当はこれじゃないんですよ、おすすめしたいの(笑)。
この中で特に「ドビュッシー」をおすすめしたいのです。
マゼールがウィーンフィルとドビュッシーを録音した、というのはある意味では大事件だったのですが、同時期のラヴェルの方がずっと話題になりましたね。
本当はドビュッシーアルバムをお薦めしたかった(夜想曲とかすげーのですよ!)んですが、まぁ仕方ない。
で、この海ですが、とっても不思議な響きがするのです。
濃密。でも空虚。これはヘンテコ演奏って言ってもいいかもしれない・・・。
バランスのせいなのか、マゼールが狙ってるのかは分からないのですが、まるで別物の曲のような、オドロオドロしさというか、なんというか・・・。
ケレン味と呼ぶにはあまりにも特異すぎる、もうマゼールにしか出来ないような演奏。
これウィーンフィルとの共演だから余計に凄いんですよ。
良いとか悪いとかじゃなく、ただただ「凄い」演奏です。
もう二度と聴かない、って言う人が出てもおかしくないと思いますねw
ちなみにこの盤にはラヴェルの録音も入っていますが、ラ・ヴァルスが素晴らしいです!もちろん世評高いボレロも凄いのですが、ウィーンフィルによるラ・ヴァルスは、プレヴィンのものとこのマゼールのものが有名ですが、どちらも本当に素晴らしい録音です。


ラフマニノフ交響曲全集


ベルリンフィルとの録音では、これも外せないなー、と。
ベルリンフィル自身がラフマニノフの交響曲の録音をする事があまり無い(というかコレが初めてじゃないか?)のですが、この演奏は実に素晴らしいですね。
個人的には1番の交響曲がマゼールにピッタリな気がしていて、それがベルリンフィルの驚異的な合奏力と合わさって、ギラギラした演奏になっています。
2番にはプレヴィンやアシュケナージといった名盤があるのですが、この録音も負けていませんね。
マゼールは比較的クールに処理していますが、これまたベルリンフィルの、特に弦楽器の圧倒的な表現力により、細部にわたってとても美しく歌いあげられます。
知と情のバランスがしっかり取れている、万人が聴いて納得出来る演奏じゃないでしょうか。
3番は他に比較出来る演奏を知らないので、あまり多くは語れません。すみません。



比較的新しい録音(マーラーはアレですけど)を紹介したつもりです。
昔の録音(ウィーンフィルとのチャイコフスキーやシベリウス、ベルリン放送響と入れた一連の録音とか)も面白いもの多いんですけどね。
クリーブランド管の音楽監督時代に入れたプロコのロメオとジュリエット、ピッツバーグ響と録音したレスピーギとか、フランス国立管と入れたホルストの惑星とか・・・。
オペラなんかもお薦めしたい録音はいろいろ有るんですけどね(プッチーニのトゥーランドットとかこれまた凄いんですけど)。

それにしても、まだまだ精力的に録音やコンサートを進めていたマゼール氏。
昨年も100回以上の公演をこなしていたわけで、本当に凄いなー。
もう一度、実演に触れてみたかったです。。。ただただ残念。
彼の遺した録音を聴きながら、しばらくは彼を偲びたいと思います。
posted by ぎじん at 21:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月30日

いきものがかり

えーと、クラシック音楽ばっかり聴いている私なんですが、本当に本当に久し振りにJ-POPを買っちゃいました。

「いきものがかり」

前もちょっと書いたような気もしたんですが、私はこのグループだけはついつい目で耳で追っちゃうんですよ。

事の発端は東京出張。
音楽情報番組(なのか?)「sakusaku」っていうのがありまして、それを長期出張の東京でよく見てました。
毎週ゲストが登場して「屋根の上」でさまざまなトークを繰り広げるのですが、そこででてきたのがこのいきものがかり。
当時はメジャーデビューしたてだったかな。
それでも神奈川が生んだ(sakusakuはTVK)アーティスト、ということで非常にローカルな話題で盛り上がってたのが印象的でした。
で、あの番組って占いのコーナーでPV流すんですよ。
その時の曲がなんだったか全く覚えてない(ヲイ)のですが、なんだかとっても心のにしみこんだのでした。


で、また出張の時に見たら、ゲストはいきものがかり。
そこで「花は桜 君は恋し」が流れて、ここでどストライクだったわけです(笑)。


出張もそんな頻繁じゃなくなって、sakusakuのゲストがいきものがかりの回ってのもなかなか当たらなかったんで、ちょっと自分のなかで薄れたんですよねー。




すっかり忘れた頃、今週出張で東京へ。
そう、今週のゲストはいきものがかりだったsakusaku(笑)。
あー、なんか聴きたいなー!!!!



ということで、昨日買いましたよ、2ndアルバムと3rdアルバム。
(1stアルバムもあったけれど、今回は見送り、4thは置いてなかった・・・)
クラシック音楽コーナーなら1時間でも2時間でもいられるのに、J-POPのコーナーには5分といられない自分(苦笑)。



そしてiPhoneにいれて、今日は聴きながら通院したり通勤したり。



・・・やべー、シングル含めてコンプリートしたくなる・・・。
posted by ぎじん at 12:30| 岩手 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月13日

ベルリン・フィルの無料デジタルコンサートご招待

http://www.db.com/japan/

えーと、日本時間2010年2月14日午後7:00から、ベルリン・フィルのデジタルコンサートの無料放送があります。
ドイツ銀行が関わってるという事で、事前に上記URLから登録すれば、明日のデジタルコンサートをネットで見ることができます。

詳細は以下の通り。

演奏 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
ピアノ 内田光子
指揮 サイモン・ラトル

クルターグ:シュテファンの墓碑
シベリウス:交響曲第4番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

皇帝は自分が今度指揮するという事もありますし、ちょっと楽しみ。
まぁこの時間帯、PCの前に居座ることを許してくれるのかどうかはさておき(笑)、期せずして素敵な誕生日プレゼントになりそうです。



posted by ぎじん at 15:05| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月14日

プレートルのニューイヤーコンサート2010

えーと、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート、来年はプレートルが2度目の登場です。
前回はとてもとても素晴らしい演奏でしたが、今回も期待出来るかも???
なにしろ曲目がたまらんのです。

・J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』序曲
・ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『女心』Op.166
・J.シュトラウス2世:ポルカ『クラップフェンの森で』Op.336
・J.シュトラウス2世:ポルカ・シュネル『恋と踊りのときめき』Op.393
・J.シュトラウス2世:ワルツ『酒、女、歌』Op.333
・J.シュトラウス2世:常動曲Op.257
・ニコライ:歌劇『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲
・J.シュトラウス2世:ワルツ『ウィーンのボンボン』Op.307
・J.シュトラウス2世:シャンパン・ポルカOp.211
・J.シュトラウス2世:ポルカ・マズルカ『心と魂』Op.323
・J.シュトラウス1世:『パリのカーニヴァル』Op.100
・オッフェンバック:喜歌劇『ライン川の水の精』序曲
・E.シュトラウス:カドリーユ『美しきヘレナ』
・J.シュトラウス2世:ワルツ『朝の新聞』Op.279
・H.C.ロンビ:シャンパン・ギャロップ
・J.シュトラウス2世:Op.373
・J.シュトラウス2世:ワルツ『美しき青きドナウ』Op.314
・J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲Op.228
(以上、某CD通販サイトより)

「こうもり」や「ウィンザー」なんかが並んでいると、クライバーを思い出しちゃったりします(笑)けれど、クラップフェンや常動曲、「酒、女、歌」といった名曲もひしめきあってます。
これは正月からすげー楽しそうだなー。
来年も良い年になりますように(いや、今年はまだ半月あるけど)。
posted by ぎじん at 09:47| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月20日

シリのオーボエ協奏曲集がスゴイ

すっかりBlogやmixi日記を書く時間をまとめて取れなくって、サボり気味になってます。
まぁその分Twitterでつぶやいてるわけですが(それもあって余計に書かなくなる)
 
とはいえ、仕事ばっかりだと頭がウニウニしてしまうので、オーボエの話題。
 
 
バイエルン放送交響楽団の首席オーボエ奏者と言えば、私なんかは「マンフレート・クレメント」と言いたくなりますがそれはもうずいぶん前の話。
ちょっと前なら「ルルー」でしたが、ルルーはもう退団しています(後任は若いスペイン人)。
 
で、首席ってのはもう一人おりまして、それが今日の主役「ステファン・シリ」。
そのステファン・シリがソリストとして入れた「20世紀オーボエ協奏曲集」のレビューです。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3641147
 
シリという奏者を初めて知ったのは、私がまだ学生だった頃(もう10年以上も前の話です)。
知人の家で飲んでいた時、そこでマゼール指揮バイエルン放送響によるバルトークのオケコンの映像が流れました(BSだったなぁ、確か)。
私はバイエルンといえば「クレメント!!!」だったので、食い入るように見始めたわけですが、そこにはクレメントとは全く別人で、ほっぺたを大きく膨らませて吹く若い兄ちゃんの姿がありました。
クレメントに比べれば少し硬い(ってか比較対象がクレメントだとみんなそう聞こえる)音でしたが、クリアな音でとても聴きやすく、それでいてきちんと他のパートに溶け込む、なかなか凄い奏者だということが分かりました。
当時はまだルルーはパリ・バスチーユ管弦楽団の首席でしたから、この奏者が後で「シリ」だと分かるのですが、当時は一体「誰なんだこの人は???」という思いだけでした。
 
盛岡にバイエルン放送響が来たときもシリだったんですが、これも素晴らしかった。
英雄の生涯とブラームスの交響曲第1番というヘビー級プログラムでしたが、とても素晴らしい演奏だったなぁ(オケ、ソロ共に)。
 
 
そんなシリですが「ソリスト」としての彼の演奏に触れたことがありませんでした。
Naxosからヴィヴァルディのコンチェルトが出ているらしいのですが、未聴。
 
ということで、非常に楽しみにして購入しました。
 
曲目は「マルティヌー」「B.A.ツィンマーマン」「R・シュトラウス」のそれぞれのオーボエ協奏曲。
 
結論から言えば、3曲とも個人的には「イチオシ」な演奏です。
クリアなんだけれど、自在な音楽。
バックを引き締めるヤンソンスの指揮とバイエルン放送響の明確なサポート。
個人的にはヤンソンス、コンセルトヘボウよりもバイエルンとの演奏の方が好きだなぁ。
(あくまで「個人的」な意見ね)
 
マルティヌーは、ソリストの持つリズム感がオケや指揮者のそれとピッタリ合わさっていて、美しい瞬間が何度も何度も訪れます。
この演奏でこの曲のファンになる人も多いのでは???
 
ツィンマーマンについては実は私は初聴。
曲の存在は知ってましたけれど。
で、これもすごくいい曲!
現代曲、と言ってしまえばそれまでですが、こんなに聴きやすい曲だったのか!!!と。
シリの揺るがぬテクニックもそうですが、ヤンソンスとバイエルン放送響の凄さはこういう曲でもその美点を生かしていきますね。
 
いや、実はこの「ソリストと指揮者、オーケストラの関係」が本当に良好な演奏というのは、オーボエ協奏曲というジャンルにおいては「稀有」だと思うのです。
 
カラヤン/ベルリンフィルのバックによるコッホの演奏。
ケンペ/ドレスデンのバックによるクレメントの演奏。
バレンボイム/シカゴのバックによるアレックス・クラインの演奏。
(以上、全てシュトラウスの協奏曲)
他にも挙げたい演奏はありますが、少数。
 
他の演奏についてはソリストと指揮者、オーケストラの関係が微妙に食い違っている事が多いのです。
レヴァイン/ベルリンフィルによるシェレンベルガーの演奏は、シェレンベルガーのソロに比べてオケが雄弁すぎますし、他の演奏(ルルーやマイヤーといった奏者も含めて)についても、ほとんどは「ソロに対して指揮者やオケが後からついていく」演奏がほとんどです。
 
以前、N響で宮本文昭さんがシュトラウスのコンチェルトを吹きましたけれど、その時の指揮(準・メルクル)とオケは、ソリストとは全く別の方向性の音楽をやっていて、かなり残念に思った事を思い出します。
(ライブの会場だとあれはあれで良いのかもしれませんが)
 
 
何を言いたいか、っつーとですね。
シリの今回の演奏は、ソリストと指揮者、オーケストラの関係が実に見事なバランスなんですね。
どっちかにどっちかが付いていく、ということではなく、しっかり同じ方向性を向いて、音楽を「共有」しているのです。
現場はすげー楽しかったんだろうなぁ(笑)。
なんで、マルティヌーは何度も何度も聴きなおしたくなる演奏。
ある種のカタルシスすら覚えます。
 
 
で、メインの「シュトラウス」ですが、これも圧巻ですね。
オケの表情付けが結構いろいろやってるのですが、実に自然で、ソロを全く壊さず。
ソロはその流れに乗るというのではなく、むしろその流れを「作っていく」ような演奏。
こういう演奏、好きだなー。
最近感銘を受けた演奏はカレフ・クリユス(北ドイツ放送響首席。ヨーゼフ使いです)のソロによるシュトラウス(ラジオ放送)でしたが、バックのオケとの関係から行くと、私の中ではシリによる演奏がイチオシかなー。
 
 
オーボエの場合は音色の好みというのもあるので、なかなか「万人受けする」奏者というのが実は生まれにくいということもあるのですが、今回のシリの演奏、バックのオケも含めた「音楽」としてこれらの曲(特にマルティヌー!)をオーボエ愛好者だけでなく一般の愛好者に広くオススメ出来るものです。
 
今の季節に聴くのがとても良い曲と演奏。
オススメです。
posted by ぎじん at 10:53| 岩手 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月08日

MTTのマーラー5番

iTMSを見ていたら、ティルソントーマスのマーラー8番が発売されていました。
遂に完結したんだな!

ということで、3、4番は買ってた私。
いよいよ5番を購入しまして。
(先は長いな・・・)
世の中に数多く出回っているマーラーの5番。
3、4番の出来がとんでもないレベルだった事を考えて、5番の複雑なスコアがどう調理されているのか、に非常に興味を持って聴きました。



名演。
ちょっとこれ以上の「演奏」って考えにくいかも。

あぁ、ちょっと語弊があるかもな。
演奏精度のレベルという点においては、ちょっととんでもなく凄い演奏だと思います。
正直、こんなレベルの演奏、本当に実演でやっているとしたら・・・世界で5本の指に入るどころか、ナンバーワンじゃないですかね、このサンフランシスコ交響楽団。

ただ、これより「好きな演奏」ってのは数多く存在すると思います。
それは数あるマーラーの交響曲の中でもこの曲ほど「演奏スタイルの好みを大きく分ける」曲は無いから。
たとえば私はバーンスタインのマーラー5番が苦手ですが、それが好きという人が数多くいる事を知っています。
バルビローリのマーラーの5番は好きですが、それが嫌いという人が数多くいる事を知っています。
アバド/ベルリンのマーラー5番も好きですし、ラトル/ベルリンのマーラー5番も好きですが、人によってはカラヤンのマーラー5番を超える演奏は無いという人もいるでしょう。

このマーラーの5番という曲は、それだけ演奏の可能性を秘めていつつ、人によっても様々な印象を(その演奏によって)与える事が出来る、ある意味では「懐の深い」曲だと思います。


で、このMTTによるマーラーの5番は、聴き始めて「んんん????」と思わされました。
あれ?こんな曲だっけ???

じっくりとしたテンポで進められるのに、音楽が停滞しません。
なんだろう、重々しくないのです。
それが故に驚くべき情報量を明らかにします。
こんなにたくさんの情報が詰まっている音楽だったのか!と。

かといってものすごくドライな演奏なのかといえば、決してそんなことはなく。
結構フレーズの伸び縮みもありますし、歌いこみも素晴らしいです。


ただ、これを「なんかマーラーっぽくない、明るい気がする」と言う向きもあるかもしれません。
オケのサウンドが確かに明るい方向に向いているのは確かです。
でもマーラーっぽいかどうか、というのは若干聴き手の我々側が「脳内フィルタリング」のようなものをかけているのかもしれないなぁ、とか思ったり。

前述した「好き嫌い」の話はこうした「脳内フィルタリング」を指しています。
こうした脳内フィルタリングそのものを、MTTは「それは誤解なんだよー」と言ってるのかもしれません。
マーラー、というフィルタをかけてみたら、この演奏は全然違う曲に聴こえてしまう、そう言ってもいいくらい私には「異次元」な演奏に聴こえました(笑)。
他の演奏(そんなに数多く聴いているわけではないですけど)とは、そもそもスタートラインが違うんじゃないかなぁ。

で、私はこの演奏、とっても大好きです(笑)。
MTTとは相性いいみたいだなぁ、自分。

あ、演奏については「完璧」と言いたくなってしまうほどです。
恐ろしい精度と練り上げ。
猛烈に緻密な設計書のもと、強烈な熱意をもって精密に作り上げられた演奏。
コンピュータのように無機質でなく、ホットな演奏なのに、根底に恐ろしいほどの冷徹さすら覚えます。
ブーレーズほど突き放していない(とはいえブーレーズも実は結構ホットですよね)のですが、こっちの方が「マーラー」を感じさせます。

好みはさておき、是非一度聴いてみてください。
管楽器の上手さもそうですが、弦楽器が上手い!
弦楽器に対して「上手い!」っていう表現を使うこともあまりないのですが、聴いてもらえれば分かると思います。
そして打楽器のメリハリ(ここの打楽器群は本当に最高!)と相まって、ちょっと信じられないレベルで曲が演奏されていきます。
感動というよりも「納得」させられる演奏(ここが「好み」のわかれるところだと思いますが)。


SACDプレーヤー買って、SACDで聴いたらさらに凄いんだろうな・・・うーん、iTMSで買いつつも、きっと全集をSACDで買いなおす気がする(笑)・・・。
posted by ぎじん at 12:48| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月03日

デアゴスティーニ快挙なりっ!

デアゴスティーニをご存知ですか?
そう、あの隔週でシリーズ雑誌を出す、あの会社です。
初回限定990円、とかってCMやるあの会社です。

過去いろんなシリーズをやっていて、何年か前にもクラシックCDのシリーズをやったりしました。
割と無名のアーティストによる演奏が主でしたけれど、ブルックナーの9番がムラヴィンスキー/レニングラードだったのには正直腰が抜けました(笑)。


さて、そんなデアゴスティーニですが、最近では同様の会社もいろいろありまして、イマイチ食指の動く企画もなかった事からほとんど放置しておりました。


ところが、この9月から新企画「オペラコレクション」というのをはじめたのです。
オペラが隔週で1990円(初回は990円だ)っていうのは安いよな、たとえ演奏がイマイチでも・・・・なーんて思っていたのですが、初回のを見て本当に腰が抜けちゃいましたよ(笑)。


初回は「カルメン」。

カルロス・クライバー指揮!!!!!
なんとクライバーのカルメンです!
初回限定990円!!!!!
あの伝説のカルメンが990円で、普通の書店で買える!!!!!!
デアゴスティーニ快挙なりっ!!!!

早速購入し、早起きして頑張ってみましたよ(まぁ途中飛ばし飛ばしですけど)。
名演!やっぱり名演!!!!


そんなわけで、オペラに興味あるけれどイマイチ買えないなぁ、とか、クライバーのカルメンなんてあるんだ!とか、是非今回の企画買ってみてください!

ちなみに隔週のラインナップもすごい。
ショルティの椿姫、レヴァインの魔笛などの有名どころもそうですし、曲目も蝶々夫人やアイーダ、フィガロの結婚など、とてもこんな金額で出来る企画とは思えないラインナップ。

ちなみに全65号(!)だそうですが、他にもワーグナー(ローエングリンやマイスタージンガー、トリスタン!!)、こうもりやバラの騎士(演奏者は書いてませんが、雑誌内の写真だとこれはどっちもクライバーと思われる!!!)なんかが控えているようです。

あー、これは本当にすごいかも!
オペラのDVDはこれから集めたいな、と思いつつ、なかなか手が出なかったので、すごく楽しみです。

ということで、まずは初回のカルメン、激オススメですっ!!!
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2009年08月12日

ラトルのブラームス交響曲全集(感想)

落ち着いたので、ラトルのブラームス交響曲全集について。

えーと、名演です。
一家に一セット。
あくまで私の個人的な話ですが、これを聴いていると他のブラームス交響曲演奏に食指が伸びません。
1番から4番まで、非常に高度な合奏力と強力なエネルギー。
この「高度な合奏力」というところがミソで、弦楽器のパワフルな合奏力にはまさに「圧倒」されてしまいます。

正直言うと、1番だけが全体の中では少し落ちるかなぁ、という気がするのですが、これは逆にラトルが意識して1番を冷静なアプローチで捉えているからじゃないのかなぁ、と思ったり。
十分すぎるほど凄い演奏なのですが、2、3、4番の完成度はちょっと尋常じゃありません。

同梱されているDVDを見るとさらに驚きます。
ラトルの指揮姿を見ていると、これらの曲をラトルがどのように捉えているのか、が一目でわかります。
そして数多くの部分をオケに任せている事もよくわかります。
オケとラトルの間の、緊張感も含めた素晴らしい関係が見て取れました。
映像と音声がずれている、という指摘もあるようですが、 ラトルが先振りしている事が結構あるのでそう見えるのかもしれません。
弦楽器のボウイングなんかを見る限り、私はズレは気にならなかったんですが、どうでしょう。


全体を通してですが、演奏そのものは重厚な響きですが、飽和しきった響きではありません。
(この「飽和」状態なブラームスの交響曲は聴き疲れしてしまいます)
むしろ「充実」した響き。
ビブラートを控えめにしてる、という印象は全くなく、むしろ20世紀になって顕著と言われる「大編成オーケストラによるロマン派志向」な演奏と呼んだ方がいいと思います。

それはラトル自身が変化した事以上に、ラトルとオケの関係が進化した事に他ならないのでは、という事。
おそらくラトルの「頭の中はきっと「オブジェクト指向」なんじゃないかな。
全体を統一されたプログラムで全て緻密に書いてしまう旧来のプログラミングとは違って、オブジェクト(物体・・・ここでは「フレーズ」とか「楽器」とか「奏者」を指す事にします)それぞれに個別の動きを与えて、それらが同時で「振る舞う」事で一つの大きな世界を作る、というような。

そう考えれば、「最近のラトルは昔とやり方が変わってきた」という論評は必ずしも当たっておらず、実は昔からオブジェクトへの振る舞いにのみ気を遣っていたのでは、と。
そしてそれらの「振る舞い」が、ようやくラトルの中で有機的につながり始めてきたんじゃないか、と。
いい意味で「成熟してきた」という証。
これこそが「ラトルとオケの関係の進化(そして深化)」の表れではなかろうか、と。


ラトルの伝記(ちょっと「提灯記事」っぽい内容の伝記だけど)なんかを読むと、クリーブランド管弦楽団に客演した際、オケが「指示を待っている」状態に業を煮やした、という記述があって、ラトルは別に自分の解釈を押し付けるんではなく、むしろオケの方からのアイディアと自分のアイディアをぶつけあう事で音楽を生き生きとさせていく(そしてさりげなく自分の理解している像へ向けていく)というやり方なのだな、と思う訳です。
だから、オブジェクトひとつひとつに「振る舞い」をインプットするような事は、ラトルにとっては(客演という立場では)非常に難しく、だからこそずっとバーミンガムを離れなかったのでしょうね。
むしろウィーンフィルやベルリンフィルといった、各奏者が百戦錬磨のスーパーオケな場合には、少ない共演回数でも化学変化が起きたのでしょうか。



ちなみにオーボエ的な事を言えば(笑)。
アルブレヒト・マイヤーは1番のみ、2,3,4番はジョナサン・ケリーです。
(DVDで確認)
ただ、私はちょっとケリーを誤解していて(笑)、サムプレートの楽器らしいのですが、すっかりベルリンフィルに馴染んでいますよね。
最近はオーボエの音色に対する意識が少し変わってきた(許容範囲が大きく広がった)ので、私は全く違和感無い(むしろ好き)です。
もちろんマイヤーはすばらしいです。



何はともあれ、過去の偉大な録音達と比較しても遜色無く、むしろ私はこの全集を個人的なベストとしたいくらいの演奏。
是非皆様も聞いてみてください。

posted by ぎじん at 10:11| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月22日

ノリントンのベートーヴェン

先日東京出張の際、移動の乗り継ぎで秋葉原を経由しました。
(人形町から東京駅へ向かう関係で)

少し時間があったので、秋葉原のヨドバシカメラに入り、子供のおもちゃ(ここは6Fだったかがおもちゃ売り場なんですよね)を見てから帰ろうとして、7Fのタワレコに入ったら(既に目的が変わっている)、あるCD-Boxに目が止まりました。

サー・ロジャー・ノリントン指揮 シュトゥットガルト放送交響楽団
 ベートーヴェン 交響曲全集

おー、そういえば我が家にはノリントンが指揮したロンドン・クラシカル・プレイヤーズによるベートーヴェンの全集があったっけなー、と思いつつ、ノリントンがモダンオケを指揮した録音が結構好き(エルガーの交響曲第1番や、ホルストの惑星、カップリングのエルガー弦楽セレナーデがノン・ビブラート奏法!!!)な私。
いや、ロンドン・クラシカル・プレイヤーズの演奏もとても面白い(交響曲第2番なんて、聴いていてワクワクしてきます)んですけれどね。
DVDでのブラームス交響曲全集(これがとっても面白い!)や、何年か前のN響を指揮した公演以来、しばらく聴いていなかったので興味が出てきました。

ただこの録音、確か結構な金額したはずだよな・・・って・・・



2450円?????


ということで即効ゲット。
那音の「スシチェンジャー」が買われることはありませんでした(笑)。


ということで、この週末iPodに入れたこの演奏を聴いてみました。
3番、4番、5番、6番と聞いてみましたけれど、これは本当に面白い演奏!!!!
使っている版はベーレンライターだと思うのですが、5番の3楽章にリピートがついていたり(これはブライトコップ新版やペータース版にのみ記載)、4番の展開部の装飾音符の扱い方(8分音符になっている!!!)とか、ちょっと不思議な個所はいくつかありましたけれど・・・(でもこれってロンドン・クラシカル・プレイヤーズとの録音でも一緒)。

楽譜に書いてある事だけを忠実に再現するやり方もありますが、ノリントンはそれだけでなく非常に多彩なアイディアを演奏に盛り込みます。
5番にもさまざまなアゴーギグがついていますが、それらが「思いつき」でおわるのではなくて、ちゃんと筋を通している緻密な設計があるところが凄いです(だからものすごく不自然には聴こえない)。
ただ、仕掛けがいたるところに満載なので、ある程度予測をして聴いているとドキッとする瞬間があったりして、これはライブだったらきっと面白いんだろうなぁ、と思ったら「ライブ録音」でした(笑)。
オーケストラもとても素晴らしく、個人的には今手持ちのベートーヴェン交響曲全集の中でも「面白さ」で言ったら最右翼じゃないかなー、と思っています。
全曲聴いたわけではないですが、他の曲を聴くのがとても楽しみ。


この演奏を聴くと「ベートーヴェンってこんなに楽しかったのか!」とか「こんなに美しかったのか!」と思わざるをえません。
興味のある方、是非お買い求めくださいませ(今もこの金額で売ってるかは知りませんが・・・)。

ちなみに旧盤も聴きたくなってきましたよ。
久しぶりに聴こうかな(まずは全部聴いてからだけど)。
旧盤は序曲も何曲か入っていてこれまたお勧めでございます。
posted by ぎじん at 09:16| 岩手 ☔| Comment(7) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月17日

今日の芸術劇場

えーと、今日のNHK教育で放映される芸術劇場はいろんな意味で「注目」です。

メンデルスゾーン特集という事ですが、今回の内容は実は以前BSで放映されたものです。
で、それを聞いてぶっとびました。
今回交響曲第3番「スコットランド」が演奏されますが、これがいわゆる「ロンドン版」と呼ばれるもので、この曲を知っている人はきっとぶっとびます。
なぜなら途中で「????」というくらい知らないメロディがふんだんに出てくるから(笑)。
私は最初聞いたときに本当にぶっとびましたよ。

この版についての情報を調べる時間がなかったのでずっとそのままにしておいてしまいましたが、今日は是非聴いてみてください(この曲を愛して止まない方)。



それでもう一つのポイント。
オーケストラが「ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団」であるという事。

という事は・・・そう、オーボエが皆さん「ヨーゼフ」社製品を使っています。
ヨーゼフオーボエを愛して止まない方も、是非ご堪能ください(笑)。

posted by ぎじん at 20:54| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月25日

ラトルのブラームス交響曲第2番

ついに、というか・・・小出しにしていく予定だというのがこれで明らかになったというか・・・。

ラトル・ベルリンフィルによるブラームスの交響曲録音。
全集が今年発売される予定で、そのうち1番のみが先行してiTunes Music Storeで600円(!)で配信されていましたが、ついに2番も配信されました。



さっそく購入(笑)。

ラトルは一体どうしてしまったのか。
まさに別人です。
1番のときもそう感じましたが2番ではより一層そう感じます。

これぞまさにブラームス、という確信をもったテンポと響き。
以前のようなアイディア満載ぶり(というか聴衆への挑戦?)が表立つ事もなく、本当に自在なテンポでこの癒し系交響曲を練り上げていきます。
よーく耳を澄ませば、細部まできっちり練り上げられているのがよくわかり、綿密なリハーサルの賜物である事はわかるのですが、ある程度ベルリンフィルに任せているところもあるような気がします。
絶妙な緊張感と脱力感のバランスの中で、高らかに歌い上げられる終楽章には久しぶりのこの交響曲で感動しました。

古今問わず、たくさんの名演が居並ぶブラームスの交響曲第2番にあって、私にとって今もっとも大事な演奏になりそうです。
凄い。

posted by ぎじん at 12:51| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月20日

ニコライ・マルコ指揮者コンクール

昨日は結婚記念日休暇でした。
(そういう休みがある会社です)

とはいいつつ、ほとんど家事全般のお手伝いでした。
奥様も風邪ですし、那音も昨日は風邪のために幼稚園をお休み。
インフルエンザでは無い(笑)のでまぁ一安心ではありますが、ほとんど家族のサポートで終わりました。
そういう結婚記念日休暇もいいよな、という事で(笑)。


そんなこんなでほとんどMacに触れていないんですよね。
まぁその分、本を読む時間を増やしてきているので・・・。

ちなみに全然関係ない話ですが、ニコライ・マルコ指揮者コンクールというものがあります。
なんとそこでの各ラウンドの様子が動画で公開されてるんですよ。
http://www.malkocompetition.com/home

若手指揮者による様々な棒&リハーサルテクニックを見る事が出来ます。

既にコンクールは終了し、日本人は3位と6位に入っていますが、個人的には6位の海老原さんの棒は好きですね(あぁは振らないけど)。
オケが笑顔になるような、それでいてしっかりとしたサウンドが出てきます。
ただ3rdRoundのラフマニノフではちょっとだけリズムが重くなる弱点が露呈していた気がします。
(それは2ndRoundでのシベリウスでも感じた)
とはいえ、特にゆったりとした曲では他の参加者とは一線を画す出来だったように思えます(あくまで個人的な印象)。

3位の桑原さんは指揮棒を持たない指揮でしたが、明確な振り分けと細かいアナリーゼがその明確な音楽を形作っているように思えました。
私は2ndRoundでのラヴェルが本質かなぁ、という風に思えました。
色彩の感覚が鋭い方なのかもしれません。
本来はもっと練り上げてオケサウンドを作られる方な気がして、こうしたコンクールではなく演奏会で聴いてみたい方です。

いずれにしても、本選が聴けないのが残念でした。
posted by ぎじん at 06:55| 岩手 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月15日

アメリカンなオケとオーボエ

今日はいろいろあって午前中会社をお休みしました。
(私の体調が悪いとかではありませんよ)


えーと、実は最近「アメリカオケ」に妙にハマっています。
ってかサンフランシスコ交響楽団限定ですけどね(苦笑)。
先日日記にも書いたMTTの影響というのもあります(というかそれが一番大きい)。

いや、正直に告白すると、アメリカオケって好きじゃなかったんですよ(笑)。
正確にはあのオーボエが。

今は全然苦手じゃないです。
むしろ好きだったりします(笑)。
もともとクリーブランド管弦楽団の首席だったジョン・マック(故人)は好きでしたし、シカゴ響だったアレックス・クラインも大好きです。
もちろん我らが(?)若尾さんも。
ドイツ一辺倒だった時代にCDを買いあさっていたということもあって、余計に「嫌い」に拍車がかかったんだよなー。
ですが、以前所属していたオケのトレーナーが、ボストン響の名クラリネット奏者ハロルド・ライトのお弟子さんだった(すげー鍛えられました、個人的に・・・)という事から、アメリカオケを聞きなおすようになっていき、だんだんと苦手意識は消えていきました。

古いところではジョン・マック(クリーブランド管で長らく首席を務められていた)、新しいところ(?)ではアレックス・クライン(元シカゴ響首席)やリチャード・ウッドハムズ(フィラデルフィア管首席)というところが大好きだったりします。
とくにウッドハムズについては「あいつはすごいでー」と前述のオケトレーナーな方にすすめられていたこともあって。
シュトラウスのオーボエ協奏曲(サヴァリッシュ指揮)が廃盤という悲しい状態ではありますが、あれは本当に名演だと思っています(そして誰かに貸したまま私の手元からもなくなって久しい・・・聴きたい・・・)。



で、MTTとサンフランシスコ交響楽団の演奏について、「Keeping Score」というプロジェクトがあるのをご存知ですか?
実はWebサイトもあるんですけれど、これがメチャクチャ面白いんです。
http://www.keepingscore.org/

春の祭典(名演!)とかのスコアと実際の演奏を同時進行で流したり(部分だけ)、春の祭典をテーマにしてMTTから指揮が学べる(というかこれは指揮ゲームだな)コーナーもあったり。
ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」にいたっては、曲が進行する中で和声(コード)の移り変わりが表示されたりしますからすごいです(これもスコアと並行でみられる)。


で、実際にこちらを映像にしたDVDが発売されていて、それを入手しました。
(国内で売ってるのを見たことがないので、アメリカから直接とか、輸入盤を扱うショップなんかで入手するしかないんですけどね)
4枚発売されています。
・チャイコフスキー 交響曲第4番
・ベートーヴェン 英雄
・ストラヴィンスキー 春の祭典
・コープランド アパラチアの春

内容は大きく二つに分かれていて、まず楽曲の成り立ちや構造をひも解く部分、そして実際のライブ演奏。
まぁ当然ながら日本語字幕はついていませんが、MTTの英語は非常に聞き取りやすいし、曲をある程度知っている人ならばあまり大きな問題はない(英語が聞き取れなくても雰囲気で楽しめる)と思います。

ライブの映像はもう信じられないくらいの精度によるもので、こんなことを実際のホールでやっているとしたら、とんでもないことだよなぁ、と驚かされるほどです。

ちなみにこのDVDはある方のご協力で入手できましたが、その方の話だとオーボエは「アメリカンにしては珍しいマリゴ」だそうです。
(アメリカンなオーボエの代表的なメーカーはロレーやラウビン)
確かに独特のダークな音色。
エロイカの第2楽章では本当に素晴らしいソロを聴かせてくれます。

# それにしても、サロネン/ロスフィルでも感じたのですが、
# オーボエの構え方が独特ですよねぇ。
# アメリカンにもいろんな奏法がある、ということなのだと
# 思いますが、海岸沿いのオケはこういう奏法なんですかね?

そんなわけで、今はすっかりどっぷりMTT&サンフランシスコ交響楽団です。

posted by ぎじん at 17:35| 岩手 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月04日

ベートーヴェンとマーラーと

えーと、今日は出勤日です(私だけ・・・当番制なんで)。
初日も出勤(これは緊急呼び出し)だったし、昨日は公民館清掃だったし、あんまり「休み」という印象がないのですが、まぁそういうもんです。

昨日テレビでクライバーのベートーヴェン7番を放映していて(以前やったやつの再放送)、録画しながら感激して見てました。
すばらしい演奏!

そして夜にN響アワーでエド・デ・ワールトの指揮によるNHK交響楽団の演奏会が出てましたが、那音を寝かしつけるために1楽章しか聴けなかったのが残念。
あれは名演でしょう!!!!!
ワールトという指揮者は、私が持っているレコード(CDじゃないよ)でグランパルティータを指揮してたのが出会い。
オランダ生まれのこの人は、オーボエ奏者を経て指揮者になった人なんですね。
正直ずっとノーマークであった指揮者ですが、昨日の演奏を聴いて驚きました。
すごいなぁ、あの演奏。
インテンポを基調としつつ、NHK交響楽団の恐ろしい精度による演奏。
低音に重心を持って行きつつ、ビート感と緊張感が(少なくとも2楽章前半までは)続いていました。
続きをちゃんと見たいところですが、NHKハイビジョンでも放映されるようなので、そちらを当てにすることにしました。

いやー、いいもの聴いたなぁ。

ついでに断片的ながらもインバル指揮フィルハーモニア管弦楽団によるマーラーの演奏会も見ました。
(那音が「シンケンジャー」と「アンパンマン」を見たがるので本当に断片的にしか見れなかった)
この演奏、以前も聴いたんですが、さすがインバルです。
フランクフルト放送響による録音は本当に素晴らしいものでしたが、最近の彼の演奏活動を見られていなかったので、より円熟味を増した演奏、いやー、さすがです。
そういえば都響のプリンシパルコンダクターらしいのですが、機会があれば聴いてみたいなあ。

最近ベートーヴェンとマーラーづいてる私ですが、ベートーヴェンはそろそろ意識して聴かないようにする(ベトプロをやるときは音源をあまり聴かないようにする)ので、今のうちにたっぷりいろんな演奏を聞き込んでおこうかな。
posted by ぎじん at 06:37| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月28日

MTTのマーラー4番もすごかった!

MTTのマーラー3番が良い、という内容の日記を以前書きました。
で、Blogの方で「4番が名演!」とコメントをいただきましたので早速購入して聴いてみました。

・・・と言いつつ。
4番の交響曲は実はあまり聴かないんですよ。
バーンスタインの新盤、ワルターの旧盤、アバドの旧盤、ラトル・・・ありゃ、4つしか持ってない。
(いや、4つもあれば十分という話もある)
ラトル盤を聴いた時に「あぁ、もうこの曲のCDは買わなくてもいいかな」と思わされたんですよ。
それだけラトルの演奏はとても素晴らしかった(1楽章からぐいぐい引きずり込まれるような演奏)。
だけど、最後の4楽章が・・・。
私はそもそもこの曲の4楽章って「オケ、声、オケ、声」という、なんだか歌曲の伴奏をさせられているようなオケの中途半端な扱いに、なんだか興を削がれてしまう感覚があるのです。
1から3楽章はあんなに素晴らしいのに・・・。
天上の生活を音楽であらわそうとしたマーラー(マーラー自身がそう言っている)ですが、誰の演奏を聴いても声とオケがブレンドせず、「はい前奏、はい1番、はい伴奏、はい次は2番・・・」みたいな(笑)・・・。
バーンスタインがボーイソプラノを使ってそういう空気を出そうとしていますが、その試みはイマイチ成功とはいえないと思います。
あの歌は「無知」な子羊が歌うわけではなく「全能の神の使い」が歌うわけですからね。
無垢であるわけではない(歌詞からも)のですから、ちょっと居心地が悪くなります。



で、MTT。
今回はkedamaruさんのコメントに後押しされて買いました。
本当は5番を買おうかな、と思ってたんですよ。
あるいは6番かなぁ、とか。
でも4番はこういうキッカケがないと買わないだろうな、という事で、購入。


結論。

私はこの曲を誤解していました。
これは本当に名曲です。
そして、数ある録音の中でもトップクラスの名演ではないでしょうか!!!!
第一楽章がこんなにも緻密なオーケストレーションだったのか!と驚き、第二楽章のスケルツォにはまるで9番の2楽章にも通じるような愉悦感。
圧巻は第三楽章!!!!
じーっくりゆーったりと歌われているこの楽章を聴いて、あぁ、マーラーは歌曲の作曲者だったなぁ、と気付かされました。
濃厚な歌いくちなのにすっきりとしていて、決して窮屈ではない、のびやかな歌。
いろんなモチーフが入れ替わり立ち替わり出てくるのですが、それらがちゃんとこの曲の進行の一助となっており、説得力をもって一つの物を作り上げていく様は、身震いしちゃいました。
この楽章こそが真のクライマックスなのですね!!!!
そしてそのまま引き続き演奏される4楽章・・・ここまで声とオケが一体感を持って流れていくのも珍しいのではないでしょうか。
女声(Laura Claycomb)がとても良いですね。
落ち着きを持って、語るように歌いかけ、まさに3楽章と相対するかのように、高ぶった気持ちが浄化されていくような、そんな演奏です。

終わった後に、深いため息をついてしまいました・・・。
幸せな気分で終わる、というよりも、終わった後に現実の世界にいる自分に激しくガックリきてしまう、という意味で(笑)。


4番とはかくも美しく激しい(表面的な意味ではなく)曲だったのか!
と思わず興奮してしまいました。

この曲をここまで確信もって演奏しきったMTTとサンフランシスコ交響楽団が本当にすごいと思います。

3番4番と聴いてみて、MTTは現代最高のマーラー指揮者の一人なのだ、という確信を持ちました。
他にはアバド(病気して以降は別人のように素晴らしい!)、ケント・ナガノ、ハイティンクといったところでしょうか(個人的な好みね)。
ラトルやブーレーズはマーラー指揮者ではない(マーラーの語法ではなく、それぞれ独自の語法を持っている)と思うので割愛(どっちも好きだけど、あえて外しました)。
個人的にはドホナーニのマーラーを聴いてみたいところです(彼は日本では特に不当に低く評価されている!!!)。


ということで、私はもうMTTにすっかりやられてしまいました。
次回は何番を買おうかな・・・。
posted by ぎじん at 15:47| 岩手 ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月22日

MTTによる「マーラーの交響曲第3番」がすごすぎる

マイケル・ティルソン・トーマス(以下MTT)という指揮者について。
youtubeシンフォニーオーケストラを指揮していたのを見て、久しぶりに聴きたくなったんです。

彼は録音の数が少ない気がしているのですが、とてもとても素晴らしい指揮者です。
個人的に「あまり誰にも言わずに一人でこっそり楽しむ」CDというのがあって(笑)、それが彼がサンフランシスコ交響楽団と録音したストラヴィンスキーなんですよ。
春の祭典、火の鳥、ペルセフォネが入った3枚組のCDは、「完璧」という言葉がぴったりな凄まじい演奏。
春の祭典に関しては音色的な好みなんかもあっていろんな盤を推す人が多く、私なんかも対外的にはカンブルランとかブーレーズ(旧盤)なんかを推すわけですが、実はこの「春の祭典」がおそらくもっとも凄い演奏な気がしています。

で、彼らがマーラーの交響曲を連続して録音しているのは知っていたのですが、金額が高いのと、アバドのマーラーやラトルのマーラーばかり聴いていたというのもあって、食指が全く動きませんでした。
ただ、iTunes Music StoreではCDを購入するよりもずっと安い金額でMTTのマーラーを買える、という事で、まず一曲買ってみようかな、と。

選んだのはマーラーの交響曲第3番。

私はこのマーラーの交響曲第3番というのがマーラーの交響曲中でもっとも思い入れの強い曲です。
というのは、初めて聞いたマーラーがこれだったから。
NHK教育で昔バーンスタインによるマーラーの交響曲演奏が放送されてまして、そこで見た3番の交響曲が初体験。
マーラーは難しい、とか長い、という印象を持っていて、実際難しいし長い(笑)のですが、当時中学生だった私は飽きもせずにじっくり見ていました。
ビデオに録画して何度も見たなぁ。

バーンスタインの指揮も素晴らしかったですし、ウィーンフィルの演奏も素晴らしかったのですが、なによりもこの曲に圧倒されました。
冒頭のホルンによる序奏にやられ、トロンボーンのソロにやられ、1楽章中盤でオケがぐるんぐるん振り回される(バーンスタインに、というよりも「曲に」)様相、2楽章の牧歌的なオーボエソロ、3楽章のリズム、4楽章のけだるい空気、5楽章の少年合唱による「ビム、バム」で始まるリズムに乗った天上の雰囲気、そして息の長いフレーズによって奏でられる世界。
なんというか、世の中にあるものをみんなこの交響曲の中に突っ込んでミックスした、そんな感じでした。
(実際「自然」をテーマにしていて、マーラー自身がワルターに「もう自然を見る必要はないよ、私が全部曲にしてしまったからね」と言ったとか)

当時田舎(今もだけど)に住んでいた私は、この曲のCDなんぞ売っていないわけで、ただただこの曲に対するあこがれだけが増していきました。
そうこうしているうちに、他のマーラーの交響曲を聴くようになっていき、3番をあまり聴かなくなりました。


その後、社会人になってから3番をまた聴くようになりまして・・・
・アバド/ベルリン
・小澤/ボストン
・ハイティンク/ベルリン
・ケント・ナガノ/ベルリン・ドイツ響
・ラトル/バーミンガム
といった辺りが我が家に並んでおります。

この曲って、オケの性能を如実に表してしまうのだと思っています。
下手なオケでこの曲を演奏されたら、聴いている方は拷問でしょう。
その上、指揮者の音楽性も白日の元にさらけだしてしまう。
まさに音の洪水のようにさまざまなパッセージが入り乱れるこの曲を、ただただ交通整理するだけでは最終楽章の「歌」に結びつかないという恐ろしさ。
(ここが7番に対するアプローチと大きく異なると思う)




さて、今回MTT指揮サンフランシスコ交響楽団によるマーラーの交響曲第3番を実際に購入し、聴いてみました。

・・・

・・・

・・・


凄い。

まずスコアに書かれている音の再現、という意味において、これ以上は求められないでしょう。
完璧、という言葉を口にしたくなってしまいます。
そして何よりすごいのが、楽譜に書かれている音(点)をつなぐ線の存在。
イントネーションやフレージングが恐ろしいほど統一されていて、それがおしつけではなくて奏者の自発性によって高度なレベルで結実しているのです。

この演奏を聴いてしまってから他の演奏を聴くと「なんて詰めの甘い演奏なんだろう」と思わず言いたくなってしまう。
なんなんだこのコンビは。

細かく細かくリハーサルを繰り返し、ガチガチに作りあげるというような、半ば強制力を感じる演奏とは違います。
本当に奏者の呼吸が「世界観にマッチしている」とでもいいましょうか・・・。
参ってしまいました。
ミクロ(細部)もマクロ(曲の大きな構造)も全くおろそかにせず、それが自然な呼吸の中で行われているという、本当に恐ろしい演奏。
こういう演奏はともすれば「息がつまりそうな」響きに支配されるのですが、そういう事もない・・・なんだろう、余裕すら感じる演奏です。


それにしても、MTTのスコアの読みとその耳、そして音楽性には脱帽です。
一朝一夕で作り上げられるものではない演奏というのはわかりますが、それだけではないでしょう。
練りに練り上げられた演奏。
それらが「思いつき」や「ひらめき」といったたぐいのものではなく、確信をもって迫ってきます。



一聴して、私はこのコンビの大ファンになってしまいました。
少なくともマーラーはこれから集めてみる予定です。
posted by ぎじん at 12:42| 岩手 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月25日

アンサンブルの妙技

えーと、盟友ひろちゃんとのメールやり取りで、ちょっとオーボエ吹くのに重要な発見があったので朝からテンションあがってきたぎじんです(笑)。
ちょっと自分でも試してみてから後で詳しくレポートします。


今日は私にとっての「アンサンブル神」な話題。

私が尊敬してやまないオーボエ奏者は、以前も書きました「マンフレート・クレメント」であります。
ですが、実は意外な人物の存在も、私にとってのオーボエ人生を決定づけたのであります。
それは「ピエール・ピエルロ」です。

もうずっと前の奏者ですからご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
フランスを代表する伝説的なオーボエ奏者です。
といっても私自身、ピエルロの略歴なんかを知ってるわけではないんですけどね。
ただ、私にとって実はとても重要な奏者です。

というのは。
高校2年の秋からオーボエに転向(それまではチューバやサックスだった)した私が、いきなりアンサンブルコンテストでモーツァルトのOb,Cl,Fgによるディベルティメントをやることになったのがきっかけです。
まだドレミファソラシドも吹けないような私が、いきなりモーツァルトを吹くなんて、という結構大変な思い出でしたが、その時の参考演奏として、当時の顧問が私にくれたカセットテープがありまして。
それが
・オーボエ:ピエール・ピエルロ
・クラリネット:ジャック・ランスロ
・ファゴット(バソン):ポール・オンニュ
というメンバーによるものでした。

いや、当時はこれがどれだけすごいメンバーか、なんて知らなかったのですが、当時はとにかく曲を覚えるのに必死で、これをひたすら聴いていました。
そのうちにこのオーボエ奏者の事がとっても好きになり、このオーボエのように、まるで話すようにオーボエが吹けたらいいなぁ、と思ったものでした。
(でも同時並行で好きになっていったクレメントにどっぷり浸かっていってしまうのですけど)



で、実は昨年東京出張が頻繁だった時に、東京駅のCD GARDENでこれのCDを見つけたのです。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0000ARKFH/


もう15年ぶりの再会ですよ(笑)。
さっそく買いました!
ところがそのまま聴かずに(笑)放っておいてしまったのでした。
買ったことすら忘れていて、先日鞄の整理をしていたら、鞄の奥から未開封の状態で出てきました(笑)。
(当時はよっぽど疲れてたんだなぁ・・・)


さっそく聴いてみました・・・




感動。

いやー、すごい演奏ですよ、これは。
1950年代のモノラル録音。
(そんな古かったのか)
おそらく3人とも全盛期だったんじゃないですかね。
録音には時代を感じさせられますが、演奏内容そのものは非常にすぐれたものです。
各奏者の微細なニュアンス!!!
ピエルロのオーボエは時に驚くほど直線的に、時に驚くほど柔和に響きます。
ランスロのクラリネットは自己を主張しながらも、見事にオーボエやバソンを支えながら、さりげなく妙技を繰り広げます(クラリネットってこんなに歌える楽器だったんだ・・・)。
そしてオンニュのバソンが痺れるほどに良いんですよー。
泣きそうになりますもん、本当に。

この演奏を聴いて、アンサンブルってのはこういうものなんだなー、と今更ながらに思わされます。
そして自分が思っているアンサンブルの理想の形(即興性をもったもの)を、最近の演奏ではなくて今から50年以上も前の録音に気づかされるとは思いませんでした。
なんというか、奏者が楽しみのために週末ふらっとどこか山奥の別荘に集まって、楽しく吹いている感じ?
それをたまたま通りかかって中に入れてもらって、みんなでお茶を飲みながらニコニコ聴いてるような。
演奏中にも3人の談笑がきこえてきそうな、そんな雰囲気。
すごいのは、それだからといって聴衆を決して置き去りにしていないところ。
3人だけの楽しみじゃなくて、「ほら、みなさんもご一緒に楽しみましょう」という良い意味での大らかさを感じます。
あー、すげーなー、本当に。
子供がカッコイイ大人を見て「かっちょえー、おれもはやくおとなになりたいなー」って思うのがあるじゃないですか。
あれに近い感覚。
はやくにんげんになりたーーーい(それは妖怪人間・・・しかも世代じゃない)。



ピエルロの音を聞きながら、あー、なんかすげー落ち着くなぁ、って思うのは、やっぱり自分がオーボエを吹き始めて最初にもっとも数多く聴いた奏者だからなのかもしれません。
もしかしたらクレメントよりも好きかも(笑)?
いや、比較すること自体がナンセンスなんですね。


これぞまさに「アダルト」な演奏。
エロボエ、ってなってるような私の演奏は、まだまだガキな演奏だなぁ、と心底思わされました。
posted by ぎじん at 12:29| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月20日

ブーレーズとストラヴィンスキー

いやー、盛岡は大雪です。
せっかく無くなってきたと思ったところに、まさに「ドカ雪」ですね、こりゃ・・・。

最近帰りが遅いせいもあってなかなかクラシックな話題を触れる余裕がなかったりするのですが、週末ということもあって3つほど。

今夜のNHK教育で放送される「芸術劇場」は、今話題の「ドゥダメル」の登場です。
必見!!!!

そして明日の夜、ハイビジョンで放映されるハイビジョンウィークエンドシアターでは、ザルツブルグ音楽祭のオープニングコンサート。
なんとブーレーズがウィーンフィルとの共演です。
ラヴェルの「優雅で感傷的なワルツ」、バルトークの「ピアノ協奏曲第1番」(ピアノはバレンボイム)、そしてストラヴィンスキーの「火の鳥」です。
ウィーンフィルの火の鳥全曲といえば、同じくザルツブルグ音楽祭の中でゲルギエフがやっぱり全曲を取り上げ、DVDでも発売されてますね。
あれもなかなかよい演奏でした(私はちょっとゲルギエフとあまり相性が良くないようなんですけど)が、今回のブーレーズの演奏はかなり期待しております。
映像ではシカゴ交響楽団とケルン・トリエンナーレでやっぱり火の鳥全曲を取り上げてます(圧倒的な名演でした)。
いやー、楽しみ!

で、このブーレーズのストラヴィンスキーなのですが、やっぱりこの人はストラヴィンスキーを振らせるとスゴイ!という気がしています。
有名な「春の祭典」もそうなのですが、私が個人的に「凄い!」と思っているのは、ストラヴィンスキーの「交響曲集」。
ベルリンフィルと録音したものです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/173597

残念ながらハ調の交響曲が入っていない(すげー残念!!!!)のですが、管楽器のためのシンフォニー、詩篇交響曲、3楽章の交響曲を収録しています。
同曲異演を数多く持っているわけではないですが、この演奏を持っていればひとまず他は買わなくてもいいかな、と思わされる演奏。
というか、名演です。
詩編交響曲はデュトワがN響で取り上げた(なんと第九の前プロだった)時から聴くようになったのですが、恐ろしい緊張感と、精緻にして複雑なスコアを見事に紐解くクールな視点により、頭の中がグチャグチャしている時に聴くと本当にすっきりしてくる演奏です。
ブーレーズはストラヴィンスキーを演奏するのに重要な「リズム」と「和声」の処理能力を(天性のものとして)持ち合わせているんだなぁ。
とっつきにくい、と思われている方も、ぜひ一度聴いてみてください。

ラトルもベルリンフィルと録音しているようで、購入する予定にしつつもずっと先延ばしになっているのは、実はこの演奏でほとんど「おなかいっぱい」状態だから(笑)。
でもたぶん買う(笑)。

posted by ぎじん at 12:46| 岩手 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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