流通VANに関するエントリの2回目です。
前回の話は「Web-EDI」が登場、という話をしましたが、その前段階として「EOSで使われている代表的な通信プロトコル」について、簡単に紹介します。
通信プロトコル、とは「通信を行う際の決め事、ルール」というようなものです。
英語しか使えない人と日本語しか使えない人が会話出来ないように、「お話する場合はこのルールでお話しましょ!」っていう取り決めです。
インターネットをやっていて、Webブラウザにホームページのアドレスが「http」で始まるのを見れると思います。
これも実はプロトコルで、「HyperText Transfer Protocol」の略です。
プロトコルそのものの話はOSIの7階層だとかちょっとややこしい話になるので、興味のある方は調べてみてください。
で。
EOSで使われる代表的な通信プロトコルについて話します。
大きくは3つあります。
・JCA手順
・全銀手順
・全銀TCP/IP手順
です。
基本的には前回お話したようにEOSでは「伝票データ」をやり取りします。
伝票というものはまぁほとんどだいたい同じような形をしていることもあり、データの内容はある程度決まっています。
そこで、日本チェーンストア協会というところが制定したのが「JCA手順」です。
経済産業省(旧通産省)も「J手順」という名前で採用しています。
専用のモデムが必要で、アクセスポイントへ電話をかけて、一対一で通信を行います(インターネットのようにオープンなネットワークではない、という事です)。
半二重通信(トランシーバーでの会話のように、話してるときは相手の言葉は聞こえない、といったやり取り)によって、データの伝送を行います。
扱えるレコードの長さが決められている事、漢字を送れない事、専用モデムが高価なこと、通信速度が遅いこと(アナログだと2400bps)と、弱点が多いプロトコルに見えますが、未だに主流です。
全銀手順、全銀TCP/IP手順に関しては軽くお話する程度にします。
全銀手順は全国銀行協会連合会が規定した、一般企業ならびに銀行相互間の金融情報交換用のプロトコルです(Z手順とも呼ばれます)。
比較的長いレコードを扱える(2KB・・・その後32KBに拡張した「拡張Z手順」も登場)上、バイナリデータも送信が可能だったりします。
全銀手順を実現するためのモデムも必要だったりしますが、こちらはTCP/IPを利用してのやり取りが可能な「全銀TCP/IP」という手順もあります。
(そこがJCA手順とは違うところですね)
注意としては、TCP/IPとうたってはいますがインターネットとは別の世界ですので所謂「Web」を利用したものではありません。
以上、これらがEOSで使われる代表的な通信プロトコル(そして今でも主流とされています)です。
ちなみにWeb-EDIやら次世代EDIプロトコルといったものが出てきた関係上、一昔前のプロトコルという事で「レガシーEDIプロトコル」とも呼ばれます。
通信速度が遅く、開始するのに専用モデムだったり通信プロトコルを実現するソフトウェアが必要だったり、といろいろ問題が多いこれらのレガシーEDIプロトコル。
新たな通信方式が渇望されるのも仕方のないことです・・・。
ということで、いよいよ登場するのが「Web-EDI」です。
次回は、Web-EDIの説明と問題点について書いてみようと思います。
posted by ぎじん at 15:29| 岩手 ☁|
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